これは10数年前の話。
僕が中学生の頃の話です
僕たちは今っぽくなく
少し時代に逆らった学生だったと思います
僕たちのバンドも
80年代・90年代に流行ったような曲を
主に弾いていましたね
当時周りの子たちは「誰それ?」と
口をそろえて言うくらい
見た目まで古いと言いますか。。
偏見もあるとは思いますが
ロックバンドをする人たちは少し素行の悪い方が多かった気がする。
僕たちもまたその一人でした
見た目も真面目ではなかった
そんな僕たちが初めて先生のところを訪ねた時
先生のお母さんはこう言ったらしいです
「近所の子が集まるピアノ教室なのに、、
あの子たちには悪いけど断りなさい」
僕たちはそんなこと言われていることも知らなかった
それくらい迷惑をかけていた
そして先生は口にはしなかったが、
きっと僕たちをかばってくれていた
見放さずにレッスンを引き受けてくれた
10年経った今だから笑って話せているが
きっと先生も頭を抱えていたと思う
先生の口からは当時の僕たちが
知らなかったことがたくさんこぼれた
僕たちの文化祭でのオーディションの時もそうだ
僕たちのバンドは
演奏では問題なく受かったが、
髪色や髪の長さといった校則違反を指摘された
いま思えばバカだったかもしれない。
でもあの頃の僕たちは
それを直すことをしなかった
そして文化祭当日
僕たちは演奏することを許してもらえなかった
校則違反による失格みたいなものだ
僕たちは前々から言われていたので覚悟はしていた
ただ教えてくれた先生に申し訳なくて
「先生ごめん、出れんみたい」
そう笑いながら伝えると先生は一目散に生活指導の先生のもとに
まるで喧嘩を売りに行くかのように走っていきました
まるでというか、もうあれは喧嘩でしたね
先生の声は体育館へと響いていました
「校則違反はあの子たちが悪い。
でも子供の挑戦を大人が妨げてどうする!
髪はスプレーで黒くするから出してあげてください」
今でもしっかり覚えている
目の奥が熱くなった
先生は半分けんか腰で必死に説得してくれましたが
僕たちがステージに立つことはなかった
それから月日は流れ僕たちが18歳のころ
先生がクリスマスライブを開いてくれて
僕たちをトリにしてくれた
先生はきっと、
僕たちがあの時出れなかったことを忘れていなかった
出させてあげれなかった悔しさもあったかもしれない
それくらい優しい先生だった
きっとその代わりに花を持たせてくれたのだと思う
ふと、先生が手帳の中から1枚の写真を取り出した
それはクリスマスライブ当日
先生と僕たちが肩を組みながら撮った写真だった
裏を見ると「感謝」の一言
「あの頃でも感謝なんて言葉知っとったんやな」
そう思われるくらいだったんだろうな。
なんか僕たちにとって
とても迷惑をかけたオカンのような人だ
あの音楽教室は僕たちにとっては家のようで
あそこで先生に怒られたこともあった
ふざけあって笑いあったことも。
今のみんなの状況などを話すと
「あんたらは嫌いなことを一切せんかっただけや
あの時から好きなことにはとことん打ち込んでた
みんな出来る子や」
・・オカン。。。。。。
そんな感じで10年ぶりの再会を果たした帰り道
僕は我慢できずに泣いた
姫路 美容室
Hair design Angie(アンジー)
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